『世界が地獄を見る時』、門田隆将、石平共著、ビジネス社、2017年。

門田氏(1958年生まれ)は、『なぜ君は絶望と闘えたのか』(2010年)『汝、ふたつの故国に殉ず』(2016年)を発表されたノンフィクション作家です。

石氏(1962年生まれ)は、中国のご出身ながら日本国籍を取得され、現在、評論家および大学教授として活躍されています。

わたしは門田氏の『汝、ふたつの故国に殉ず』を読み、他の本を開く気が起こらなくなるほどの感動をおぼえました。
また、これまで石氏の諸著作に接し、氏が鋭い視点や現実的なご意見を有していらっしゃることを知って、仰視しています。

このお二人の対談が記録され収められているのが本書です。

世界にじわじわ迫りつつある波乱、そしてそうした状況を見据えながら日本はどう進むべきなのか、などに関してのご意見交換でした。
そうとう突っ込んだやりとりとなりました。

わたしは世界情勢だの外交だのに全然くわしくありません。
しかし、御両所が本書内で危機を警告しておられる以上、実際、世界は危機的な状況にあるのでしょう。
とても参考になりました。

さまざまな事柄があつかわれている上掲書ですが、そのなかで、台湾が日本に寄せてくれる肯定的な感情についての言及もありました。

2011年の「東日本大震災」のときに、台湾では、

巨大津波を受け、日本人が、それこそ何百、何千という単位で亡くなっていくニュース映像に、涙を流す人が続出したのです。あまりに泣き崩れるので、家族が、もうニュースを見てほしくない、と訴えるような例が続出したそうです。こういうことが、台湾で、いわば「現象」にまでなりました。(中略)日本好きで、日本を大切に思うのは、なにも年配の台湾人だけではありません。台湾の子供たちは自分の大切な貯金箱を持って、「これを日本の人たちのために使ってください」と、コンビニなどの窓口で差し出したそうです。そんな善意の積み重ねとなった台湾の義援金の総額は200億円を超え、人口が十数倍にあたる米国に匹敵するまでになったのです。(門田氏、pp.221)

ありがたいことです。
日本人はこの事実を記憶しつづけなければなりません。

緊迫した世界情勢を語った本を読んでいる最中にこんな温かいエピソードが登場してくると、読むほうは自然に「台湾こそが日本の真の友なのだ」という気持ちになってきます。

金原俊輔