『おい、小池!:女ファシストの正体』、適菜収著、KKベストセラーズ、2017年。

むかし「おい、小池!」という指名手配ポスターがあり、全国の要所・交番などに貼られていました。

上掲書のタイトルはそれをそのまま用いたもので、ここでいう「小池」とは(殺人犯ではなく)現・東京都知事の小池百合子氏のことです。

小池氏はなんの見識もリーダーシップも有しておらず、自身の栄達のみを大事にしている、騒ぐことだけが得意で、まとめたり創りあげたりするのはまったくダメ、たんなる破壊者でしかない、無能、彼女を取りまく顔ぶれもおしなべて三流、こうした弾劾を容赦なく連発した政治時評でした。

都庁における小池の評価は低い。「都政新報」のアンケート調査によると、小池知事1年目の点数は平均で46.6点。「落第点」「合格点は与えられない」が全体の57.1%を占めた。これは前職の舛添要一の63.6点、石原慎太郎の71.1点と比べてもかなり低い。
小池人気は無責任なメディアがつくりだしたものだ。(中略)要するに、小池という空っぽの独裁者を、憲法の意味合いも理解していない極端にレベルが低い人々が持ち上げ、地獄へと突き進んでいるわけだ。(pp.28)

数値のあとに「点」と「%」が混在してくっついているので分りにくいものの、とにかく歯に衣着せぬ指摘です。

失礼さや無遠慮さも感じられました……。

さて、わたしは最近、女性政治家が登場するつど応援し、そして毎回落胆している状況です。

おそらく他の多くの日本人も同様でしょう。

小池氏がらみでわたしが最も残念に思ったのは、2017年10月、彼女がフランスでキャロライン・ケネディ前・駐日アメリカ大使と会談した際に、ご自分が結成した「希望の党」の衆議院選挙における敗北を「ガラスの天井、鉄の天井」と総括した件でした。

ガラスの天井とは「女性であるために本人の活躍が頭打ちに制限されてしまう」という意味合いの言葉です。

わたしは日本が性差別をしない国と強弁するつもりはなく、残念ながらたしかに性差別をする社会と認めますが、衆院選の結果は小池氏が女性であることとはまったく関係ないと考えています(もし関係があるのだったら、同氏はそもそも東京都知事選で落選していたでしょう)。

氏が外国へ行き、ご自分の力不足を棚にあげ、おかど違いなかたちで世界に向けて自国を辱(はずかし)める発言をした点に憤慨したのです。

ただし『おい、小池!』は「ガラスの天井」発言前に書かれたものなので、上記のできごとについては触れられていません。

著者(1975年生まれ)は小池氏糾弾ののち、安倍晋三総理や「日本維新の会」をも舌鋒するどく攻撃しました。

安倍政権は完全に日本を壊してしまった。(中略)共謀罪も2015年の安保法制のときと同様、むちゃくちゃな手法で押し通された。「東京オリンピック開催に向けたテロ対策」「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結するため」などとデタラメな説明を繰り返し、国連からも懸念が表明される中、委員会採決をすっとばして、恣意的な運用が可能である欠陥法案を強行採決した。共謀罪適用の第一弾が安倍だったら笑うけど、笑っていられない世の中になってきた。(pp.133)

こういうふうに。

わたしは最近、おなじ著者による『安倍政権とは何だったのか 時代への警告』、KKベストセラーズ(2017年)も読みました。

おもな内容は、やはり安倍総理批判と「日本維新の会」批判でした。

よほどお嫌いなのでしょう。

わたしみたいな一般人が知らない情報をおりまぜつつ議論を展開されているので、どちらの本にも説得力がありました。

金原俊輔