『「安い食べ物」には何かがある』、南清貴著、三笠書房、2017年。

南氏(1952年生まれ)は、「フードプロデューサー」という肩書きのもと、講演をしたり、「日本オーガニックレストラン協会」の理事を務めたり、なさっているそうです。

『「安い食べ物」には何かがある』は、食品栄養学の知識をおもちの著者が、食べものに起因する健康劣化を阻むためお書きになった、警告の書でした。

……安い食べものには、安くできるからくりがある。

からくりとは、極度に多量な添加物が入っていて本来の製造過程を短縮できるので安い、また、衛生観念や土壌がよろしくない国々から輸入した野菜を使用している関係で安くできる。

読者はじゅうぶん気をつけて、自分自身や家族の健康を守らなければならない……。

おもにこういった主張が述べられていました。

書中、具体例がつぎからつぎへと紹介されてゆきます。

そのうちのいくつかを引用します。

まずは、タマゴ。

卵の色にだまされてはいけません。割ってみると黄身の色が濃い卵があり、いかにも体によさそうな印象を持ちます。しかし、それはパプリカパウダーや合成着色料をエサに入れているため、黄身に赤みがついて、濃く見えるだけなのです。(中略)「ビタミンE入り」とうたっている卵もありますが、そのビタミンEは化学合成されたものです。それが体に蓄積することの問題を指摘する人もいます。(pp.31)

つづいて、豆腐。

コストを落とすためのいちばんの方法は、使う大豆の量を少なくすることです。使っている大豆の量が少なくても、豆腐らしく見せるために、膨張剤(食品添加物)などでカサ増しをしている場合もあります。(pp.45)

今度は、パンを見てみましょう。

小麦はほとんどが輸入物で、国産小麦は本当に少なくなりました。小麦は輸入の段階で農薬をたくさんかけられます。そのまま消費者の口に入ってしまうので大問題だと思うのですが、実は大手パンメーカーの小麦は100パーセント近くがそうなのです。(pp.66)

牛肉。

アメリカやカナダ、オーストラリアなどから輸入されている肉はとても安い。(中略)牛の成長期間を短くしているからです。つまりそれだけエサ代も安く、生産の回転がよくなります。普通に育てていたら、牛は急に大きくなることはありませんから、そこには、成長促進のためのホルモン剤が使われています。(pp.88)

お惣菜やお弁当。

中国産の野菜はもっぱら、惣菜や弁当などの加工食品、そして外食産業で使われているのです。
中国産の野菜がなぜ心配なのでしょうか。いくつか理由があります。
中国では今、いい野菜を成育させる畑がなくなりつつあります。あまりにも土壌汚染がひどいからです。
さらに問題なのは水です。重金属でひどく汚れているのです。(中略)
その劣悪な環境に追い打ちをかけるように、毒性の強い農薬も使われています。(pp.118)

ポテトチップス。

スナック菓子の中で私が最悪だと思うものはポテトチップスです。(中略)相当量の劣悪な油を吸っていることだけでも最悪ですが、なぜここまでいうかというと、じゃがいもを高温で加熱すると、その一部の成分がアクリルアミドという強力な発がん性物質に変わってしまうからです。
もちろんアクリルアミドを含む食品はじゃがいもだけではないのですが、ポテトチップスは高温で揚げているので、危険度が高いのです。アクリルアミドに関しては、論争の余地もないほど悪質なものです。それに加えて、いろいろな食品添加物や化学調味料で味つけをしているのですから目も当てられません。(pp.154)

塩。

塩の多くには「食塩(食卓塩)」と書いてあります。この瓶の裏側を見ると、「塩化ナトリウム99パーセント」と書いてあります。
これはもう「塩」ではなく、化学塩です。食べるべきものではありません。(pp.164)

まだまだ多彩な食品・調味料・飲みもの類が取りあげられました。

この本によれば、われわれ日本人が口にするもののほとんどが危険、という結論になります。

現在、すでにたくさんの人々が不調・病気になっているし、そればかりではなく、次世代への悪影響も懸念されている模様です。

あまりに深刻な話でした。

食生活において、なにを信じればよいのか、わからなくなりました。

同時に「なにも信じられない」という気もちすら起こりました。

『「安い食べ物」には~』から得た情報に基づき、わたしが今後どう対応してゆくかは未定ですが、わたしのことはさておいて、できるだけ多くの人々に本書を読んでほしいと思いました。

金原俊輔