『古本道入門:買うたのしみ、売るよろこび』、岡崎武志著、中公文庫、2017年。

初めて岡崎氏が書かれた本を読みました。
1957年のお生まれだそうですから、わたしとほぼ同世代です。

古本を愛されており、東京を中心として全国あちこちの古本屋さんに赴いては書物を買い集めていらっしゃいます。

古本への並々ならぬ情熱をおもちのかたです。

本だけではなく、店舗のほうにも多大な関心がおありのようで、上掲書の全般にわたって各種古書店の店舗情報が記載されていました。

狭さが魅力のお店を紹介する項には、

さらに狭い店古書五合庵が、2010年長崎に生まれた。東京で仕事をしていた男性が、定年後に故郷の自宅へ戻り、玄関横の軒先のような狭いスペースを改造し、本棚を置いている。もちろん、経営が成り立つ(専業で食べて行く)わけではないが、趣味にプラス実益を兼ねた試みとしておもしろい。(pp.21)

との文章がありました。

知りませんでした。

本好きで、古本屋さんにもよく行き、そして長崎在住であるわたしが知らないことを、著者はご存じだったわけです。
どれほど膨大な情報を有しておられるのでしょうか。

感服しました。

話は変わりますが、この本を読みだす前に「もしかしたら語られるのではないか」と予想していた人物がいました。

そうしたところ、めずらしくもわたしの予想が的中し、お名前だけながら本当にその人物が登場してきました。

佐々木邦(ささき・くに、1883~1964)というユーモア作家です。

わたしはむかし、渡部昇一著『知的生活の方法』、講談社現代新書(1976年)を読んだ際に佐々木のことを知り、代表作のひとつである『珍太郎日記』がほしいと思いました。

以来、古書店に入るたびに同書が置かれていないか探したものの、見つかりませんでした。

そして40年が過ぎました。

わたしはまだ『珍太郎日記』をもっていません。
図書館などで閲覧したこともありません。

今回『古本道入門』で再会した結果、「いつかは必ず手に取ろう」という決意を新たにしました。

金原俊輔