『日本の聖域 クライシス』、「選択」編集部編、新潮文庫、2017年。

わたしは世の中に「裏」があることぐらいは知っているものの、裏の正体や構造についてはまるでわかっていません。

上掲書がいくつかの裏の仕組みを教示してくれました。

巻末の「解説」に、

この社会はひとたびあるシステムが定着すると、システム自体に権益の構図ができあがってしまい、それに伴ってのマイナス面が明らかになっても容易に解体することはできないのだ。その弊害が偽りの記事という構図になる。(pp.297)

と書かれており、まさにそのとおりの内容だったのです。

なにしろ各章のタイトルが、

第一部 不可侵領域の陰翳
第二部 不徳と欺瞞が罷り通る
第三部 飽くなき欲望の果て

この重さでした……。

全編を通じて「メディアが取材し記事にすべき題材をあつかおうとしていない」「メディアが知らないふりをしている」旨の批判・告発が多かったように思います。

執筆陣はみなさま専門性が高く、そのうえ綿密な取材をおこなわれて文章を書かれたことが窺えました。

わたしは読了後、暗澹たる気分になった半面、「良い勉強をした、得がたい情報を与えてもらった」という感想も抱きました。

『日本の聖域』はシリーズで出版されています。

本書が第4冊目。

これから、すでに発行された本を集め、全部読んでみるつもりです。

金原俊輔