『完本 しなやかな日本列島のつくりかた:藻谷浩介対話集』、藻谷浩介著、新潮文庫、2018年。

わたしはこれまで著者(1964年生まれ)のご活躍をまったく存じておりませんでした。

地域エコノミストでいらっしゃいます(当初、左記がなんのことだか分りませんでした)。

日本の諸地域に密着し、愛情さらには責任感をもち、地方発展のために尽力されている人物のようです。

頭脳明晰であり、上掲書での対談中に当意即妙の応答をなさったうえ、ホストとして、おそらく対談相手が最も語りたいであろう話題を鮮やかに導きだされました。

著者も対談を引き受けられた皆さまも、ただ考えるだけでなく、お考えを具体的な行動に展開させるタイプの面々です。

敬服しました。

本書を読み進むと、どのゲストとの対談も「ヒント満載」で、社会人として、小さなビジネスに携わる者として、わたしには非常に有益な内容です。

とくに、第3章「『ユーカリが丘』の奇跡」。

これは、藻谷氏と、不動産をあつかう「山万株式会社」社長の嶋田哲夫氏(1935年生まれ)との、たがいに好意を示し合いながらの情報交換でした。

嶋田氏は1970年代以降、千葉県佐倉市ユーカリが丘を、住民たちの加齢に即しつつ開発されてきている由です。

短期的な利益は追求せず、腰を据えてお仕事を進行させてゆかれるご姿勢が、たいへん参考になりました。

ビジネスは(たぶん)そうでなければなりません。

わたしは「地方創生」の門外漢です。

それなのに『しなやかな日本列島~』は「部外者のとまどい」をおぼえずに読める本でした。

良書です。

最後のページの「解説」を、わが国における初代・地方創生担当大臣である石破茂氏がお書きになっていました。

金原俊輔