メンタルヘルス情報4:ストレスチェック 高ストレス者への医師の面接指導

ストレスチェックで「高ストレス」と判定された回答者には、その旨を伝える個人結果通知書をとおし「医師による面接指導」を受けるよう勧奨がなされます。

医師による面接指導とは、医師が、高ストレス者の(1)勤務状況、(2)心理的なストレスの状況、(3)心身の状況、左記を把握したのち、ご本人に健康管理の助言をし、事業場には就業面の配慮を提言する、ことをめざしておこなわれるものです。

面接指導は、高ストレス者ご自身が希望した場合にのみ、実施されます。

では、全国でどれくらいの高ストレス者が面接指導を希望し、受けているのでしょうか?

正確な数字は明らかにされていないのですが、岩崎氏というかたがお書きになった記事(*)では、

ストレスチェックを受けた全ての労働者の0.5%が面接指導を受けています。高ストレス者の割合が10%であった場合には、高ストレス者のうち5%が面接指導を希望して受けたことになり、面接指導を受ける割合は決して高いとはいえません。(pp.14)

の由でした。

つまり、全国で、ストレスチェックを受検したすべての回答者のうち200人にひとり、高ストレスと判定されたすべての回答者のうち20人にひとり、以上のかたがたが面接指導を受けている計算になります。

たしかに多数とはいえません。

なぜ多くないかについては、ふたつの理由が考えられます。

ひとつめの理由は、法律上、面接指導を希望した時点でご自分が高ストレス者と判定されたことが事業場に伝わり、また、ご自分のストレスチェック回答内容も事業場に開示される、という決まりになっている関係で、該当する人たちが面接指導を敬遠しているからでしょう。

この件への対応法は?

事業場の医師や保健師が、面接指導ではない通常の「健康相談」にて高ストレス者を支援すれば、そのかたが高ストレスであった事実は事業場に知られず、ストレスチェック回答内容も事業場へ開示されません(本文章は岩崎記事を参考にさせていただきました)。

ふたつめの理由として、事業場の医師が心療内科医ではないため、高ストレス者が面接指導に期待をもっていないケースも考えられます。

しかし、高ストレス者への面接指導は厚生労働省が作成したマニュアルに沿っておこなわれるもので、面接指導ご担当医が心療内科医である必要性はまったくないのです。

みなさま同じ流れで面接指導をお進めになられます。

医師が高ストレス者の状態に応じ心療内科医などの専門医を紹介してくださる場合もあるでしょう。

*岩崎明夫(2019年)「ストレスチェックの現状とその対策」、独立行政法人 労働者健康安全機構『産業保健 21』第95号

金原俊輔

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