メンタルヘルス情報13:ストレスとうつ病
うつ病についてご説明します。
まず、うつ病はどのような疾患かというと、気分の病いです。
気分の病いであるため、うつ病にかかった人には、落ち込む、憂うつになる、意欲が低下する、希望がなくなる、不安をおぼえる、といった感情領域の症状が出てきます。
不眠、食欲不振、身体の不調(頭痛・めまい・吐き気・下痢・口の渇き・等々)もあらわれます。
20歳代後半に初めてこの病気を経験する例が多く、ついで、40歳代後半から50歳代前半までの年齢層も罹患しやすい、と言われています。
性別では、男性より女性の発症率が高い病気です。
うつ病の原因は、まだ十分に解明されていません。
現在わかっている要因として「体質」「脳内ホルモンの変化」「心理的ストレス」があげられ、左記3つが重なって病気を引き起こすと考えられています。
さて、3つのうちの「心理的ストレス」。
職場の心理的ストレスに疲れ果て、うつ病となってしまい、長く苦しんでいらっしゃる勤労者のかたがたが少なくないでしょう。
うつ病は、ご本人ができるだけ早めに気づき、できるだけ早めに治療を受けだす、という流れが大事です。
では、どうすれば「うつ病かもしれない」と自覚することができるでしょうか?
心療内科医・北島潤一郎氏は、
週刊ダイヤモンド 編『私をうつにした職場』、ダイヤモンド社(2008年)
の第3章第1項「うつ病の発見法・治療法・予防策」で、うつ病を早期に発見する方法として、
私が重視しているポイントは次の3点。
① 睡眠状態の悪化
② 情緒の不安定化
③ 身体症状としての頭痛と吐き気
である。
①があれば、ほぼそれだけで治療の対象となりうるが、同時に②や③を伴うことが大半である。3つ同時に揃えば、それだけ確実性が増す。
逆に②や③があっても①がない場合は、うつ病以外の要因である可能性がある。(pp.92)
こう述べられました。
つづいて、本人用ではなく、職場の関係者たちが仲間のうつ病に気づくためのアドバイスもあります。
大西守、島悟 編『職場のメンタルヘルス実践教室』、星和書店(1996年)
によれば、
朝は億劫で起きられない、睡眠が十分でなく朝早く起きてしまう、いらいらして落ち着かないなどの症状があげられる。こういった症状は、周りから見ると、会社に遅参する、会社を休む、会社での離席が多い、仕事に集中できないなどの問題として現れてくることが多い。
一般にうつ病になりやすい人の特徴としては、几帳面、真面目、仕事熱心などで、通常の勤務状況と比較すると、うつ状態になってからの仕事ぶりの変化に気付くのは難しいことではない。(pp.42)
とのことでした。
うつ病にかかってしまった場合、医療機関で治療を受けるのが最も適切な対応です。
本コラムで引用した情報などを参考にしつつ「もしや自分は(部下は、同僚は)うつ病?」と思われたら、心療内科をお訪ねになって(心療内科受診をお勧めになって)ください。
金原俊輔