『職業としての地下アイドル』、姫乃たま著、朝日新書、2017年。

地下アイドルとは、

マスメディアへの露出よりも、ライブを中心に活動しているファンとの距離が近い新しいアイドルの総称。(pp.3)

の由です。

わたしはこの言葉を知らず、地下アイドルと呼ばれる人々が存在していることもわきまえず、アイドル自体になんの興味ももっていないのに、上掲書を読みました。

日本のサブカルチャーが諸外国に受け入れられ、それを通してわが国の評価に好影響をおよぼしたり経済効果すら有しだしたりしている現状は、周知の事実です。

わたしはむかし、奥野卓司著『ジャパンクールと情報革命』、アスキー新書(2008年)を読んで、当該事実を認識しました。

そうすると地下アイドルだって「日本の売り」のひとつになってゆくかもしれないと考え、書店での立ち読み後、いちおう基礎情報を押さえておこうと本書を購入した次第です。

地下アイドル、現在どれくらいの人数がいるのかは不明のようですが、おもに女性たちで、平均年齢は21歳ぐらい。

地下アイドルのファンのほうは、大半が男性、18歳から58歳までの年齢層だそうです。
平均年齢は約35歳とのことでした。

おそらく小さなライブハウスにおいて若い地下アイドルとすこし年齢が離れたファンたちとのあいだで独特の雰囲気が醸成されているのでしょう。

なんだか、お邪魔しないで、そっとしていたい感じです。

それはさておき、わたしにとって関心が皆無に近い世界の話題だったので、この本を読みつづけるのにはけっこう手こずりました。

どういうわけか心理学の術語がたびたび登場してきて気になったため、最後のページまでたどりつくことができました。

たとえば、

地下アイドルとファンの関係について語る時、頻繁に「承認欲求」「認知」という単語が用いられます。
どちらも元々は心理学の用語ですが、地下アイドルの世界においては、
・「承認欲求」=有名/人気者になりたい地下アイドルの欲求
・「認知」=ファンが地下アイドルから顔と名前を覚えてもらうこと
という意味で使われています。(pp.148)

こうした文章です。

どちらの語も心理学的に正しい使いかたでした。

自分に縁がない領域での事象とはいえ、既述したように地下アイドルが「新しい日本文化のひとつ」として外国人たちから注視されだしたら、わたしは嬉しいです。

地下アイドルのみなさま、がんばってください。

金原俊輔