『知の逆転』、吉成真由美編、NHK出版新書、2012年。

編者の吉成真由美氏が、ノーム・チョムスキー、マービン・ミンスキー、オリバー・サックス、ジェームズ・ワトソン、などの碩学・権威たちにインタビューした内容をまとめたものです。

有益な話題にあふれており、とりわけ現代のインターネットの世界に興味があるかたには、トム・レイトンへのインタビュー「サイバー戦線異状あり」がおもしろいのではないでしょうか。

 

ところで、一般的な有益性もさることながら、わたしにとってこの本には個人的に参考となる箇所がありました。

わたしはカール・ロジャーズとB・F・スキナーというふたりの高名な心理学者のあいだでおこなわれた討論を調べており、いつか調べた結果を整理し、出版する計画です(書名は『ロジャーズ対スキナー:二大心理学者の討論』になると思います)。

調べている途次、ロジャーズが周囲の関係者たちから「慈悲深い専制君主」と批判されている事実を知りました。

けれども、わたしはこの言葉の由来について不案内でした。

 

そうしたなか、『知の逆転』のチョムスキーの項において、慈悲深い専制君主とは哲学者のソクラテスが用いた表現であることが語られていました。

ありがたい情報です。
さっそくソクラテスの言説を記したプラトンの著作を読みます。

 

数年後に完成するであろう拙著には、あたかも著者がむかしから熟知していたかのような書きかたで、本件が解説されているはずです。

 

 

金原俊輔