メンタルヘルス情報14:大人のADHD

「ADHD(注意欠如・多動症)」という発達障害があり、「不注意」「多動性」「衝動性」を主な特徴にしています。

むかしは「注意欠陥/多動性障害」と訳されていました。

男性の発症率が高く、女性の2~3倍ぐらいと言われています。

一般に、社会では子どもたちのADHDが気づかわれているのですが、大人がADHDにより困難を経験している例もめずらしくありません。

大人のADHDは、

(1)不注意: 会議の最中などにボーッとしている、人の話を最後まで聞かない、忘れものが多い、整理整頓ができない、計画的に業務を遂行できない

(2)多動性: 長時間じっとしているとイライラする、用もないのにウロウロ歩きまわる、貧乏ゆすりをする、早口で絶え間なく一方的にしゃべる

(3)衝動性: キレやすい、時と場合をわきまえた振る舞いができない、思いつきで発言する、ギャンブルや衝動買いに走りやすい、勢いで不倫をする

……こうした症状を呈しがちです。

勤労者の場合、お仕事に差し障りが生じてしまう可能性があるでしょう。

差し障りを軽減させるための工夫として、

(1)「やるべきこと一覧」をつくり、自分のスケジュールを管理する

(2)仕事は小分けして、できることから順に処理してゆく

(3)スマホのアラーム機能を利用し、時間管理をおこなう

(4)書類・荷物は置き場所を決め、使ったら必ずそこにもどす

(5)明日、職場へもってゆくものは、自宅玄関に出しておく

(6)大事なものは身体から離さない

(7)会議中、だしぬけに発言しない

(8)指示や連絡は必ずメモする

……などが考えられます。

ご自分がADHDに該当しているかもしれないとお感じになったかたには、心療内科あるいは精神科を受診され、専門的検査をお受けになることをお勧めいたします。

以上、今回のコラムは、

星野仁彦 著『発達障害に気づかない大人たち <職場編> 』、祥伝社新書(2011年)

を参考にしました。

金原俊輔