メンタルヘルス情報2:ストレスチェックの受検率
厚生労働省は、2017年(平成29年)7月、「ストレスチェック制度の実施状況」を発表しました。
この発表で初めて全労働者のストレスチェック受検率が明らかになりましたが、以降の受検率は公開されていません。
したがって、現時点で受検状況を考える際に参考となるのは、上記2017年の数値だけとなります。
それによると、全国の受検率は78.0パーセントでした。
事業場の従業員数で区分した受検率の相違を確認してみましょう。
従業員数が50名~99名の事業場における受検率は、77.0パーセント。
100名~299名の事業場では、受検率78.3パーセント。
300名~999名の事業場だと、受検率79.1パーセント。
そして、1000名以上の事業場における受検率は、77.1パーセント。
従業員数の多寡と受検率の高低に関係はなく、すべて80パーセントをすこし下回っている、こうまとめられるのではないでしょうか。
ストレスチェック実施は事業場側におよぶ義務であり、受検は従業員の義務となっていませんので、受検率自体を分析・考察する必要性はたいしてありません。
しかし、受検率が上昇すればするほど職場の現況を正しく反映させたストレスチェック結果が出る、職場環境改善への取り組みも当を得たものになる、とは見なせます。
さて、弊社のご契約先のストレスチェック受検率は、90パーセント以上。
受検率が高い理由は、まず、各事業場におけるご担当者さまがストレスチェックの意義を理解され、ストレスチェック実施に鋭意取り組んでくださっているから、と言えます。
もうひとつ、弊社の場合、ご契約先と話し合ったうえで、ストレスチェック回答のまちがいを調べる「エラー調査」をおこなっていることも、全国平均をしのぐ受検率につながっていると考えて良いでしょう。
弊社が回答エラーを見出したとき、事業場ご担当者さまへ伝え、ご担当者に回答者ご本人さまへ連絡していただいて、ご本人に再回答してもらっているのです。
結果的に「ストレスチェックを受検したけれど、ミスをしたせいで結果が出なかった」という事態が減り、受検者数が増え、受検率も高まりました。
金原俊輔