メンタルヘルス情報5:ストレスチェックの実施事務従事者

ストレスチェックは実施者および実施事務従事者が共同して進めるものです。

ストレスチェックの実施者になることができるのは、医師・保健師、そして特定の研修を受けた歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師。

実施事務従事者には、事業場の従業員のうち、昇進・異動・解雇などの人事権を有する監督的地位に就いていないかたが選任され、ふつう、総務課・人事課の課員や衛生管理者などが就任します。

人数は1名~2名。

たとえ事業場が弊社のような外部の代行業者にストレスチェックを委託する場合であっても、実施事務従事者の選任は必要であり、事業場側の窓口として代行業者との間に立っていただきます。

なお、代行業者のスタッフも、実施者・実施事務従事者となります。

それでは、ストレスチェック全般において、実施事務従事者はどのような役割や責任をおもちでしょうか?

以下、実施事務従事者の役割・責任をまとめると、

1 実施事務従事者は、ストレスチェック調査票の配布や回収、種々のデータ入力、などをおこなう

2 実施事務従事者は、実施者とおなじく、ストレスチェック結果のすべての情報に接することができる

3 実施事務従事者は、ストレスチェックを受検した個々の従業員に、検査結果を通知する

4 実施事務従事者は、事業場が集団分析をおこなった場合、事業場に分析結果を通知する

5 実施事務従事者は、ストレスチェック結果の取り扱いについて、所属部署の上司ではなく、実施者の指示にしたがう

6 実施者および実施事務従事者が、ストレスチェックの秘密を他者(所属部署の上司など)に伝える行為は禁止されている

7 実施事務従事者がストレスチェックをとおして知り得た秘密を洩らしたときには、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される(*)

8 実施者または実施事務従事者は、従業員にたいしストレスチェック受検の勧奨をおこなうことができる

9 高ストレス者への「医師による面接指導」は、実施者が当人に勧奨するが、当人から面接指導を希望する旨の申し出がないときには、実施者または実施事務従事者が再勧奨をおこなうことができる

10 ストレスチェック結果の記録の保存(5年間)は、実施者がおこなえない場合には、実施事務従事者がおこなう

……非常に大変です。

ところで、弊社がストレスチェックの代行業務をおこなう途次、よく実施事務従事者のかたがたよりお受けするご相談があります。

それは「ストレスチェックで出た全体結果や集団分析結果を職場内のどの範囲の人々に伝えてよいのか分らない」というものです。

開示する範囲や開示の方法につきましては、自己判断をせず、事業場の衛生委員会にて審議なさってください。

* 実施者が秘密を洩らした場合の罰は、所持資格に応じて異なります。

金原俊輔

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