『闇金ウシジマくん 39』、真鍋昌平作画、小学館、2017年。

むかし、長崎ウエスレヤン大学のゼミの男子学生が、上掲書を薦めてくれました。
わたしはさっそく数巻を買い求め、読みました。

しばらくして彼が感想を聞いてきた際に、わたしは「あんな気が滅入るマンガを自分に薦めないでほしい」と答え、おたがい笑い合ったことをおぼえています。

暗く、怖く、その結果気が滅入ってしまう、マンガに縁遠いかたが「マンガ」という言葉でイメージするものとは正反対の、怪作でした。

主人公・丑嶋馨が、配下5名と共に、非合法の金融業者として凄みをまき散らしながらお金をかせいでゆく(お金を取り立ててゆく)話です。

裏社会でうごめく暴力団員・麻薬常習者・詐欺師・ヤンキーたち、借金で身をもちくずす市井の人々、そういう顔ぶれが群れをなして登場し、真に迫るストーリー展開で彼らの悪行や転落が描かれます。

読者を引きつける力は昨今評判になっている全マンガ作品のなかで屈指でしょう。
わたし自身、学生に薦められた当初から、一巻たりとも欠かさず購入しつづけています。

基本的に「大人向けマンガ」であるとはいえ、わたしはむしろ十代の少年少女に同書を読んでもらい、今後の人生においてお金の失敗をしないよう気をつけてほしい、お金を畏れてほしい、と願っています。

金銭がらみで人はここまでひどい目に合うのかというシーンが容赦なく出てきますので。

この『ウシジマくん』は2004年に連載が始まりました。
現在は最終章に入り、まもなく完結するそうです。

残念に思います。

第39巻では、以前、主人公を若干認めたヤクザの滑皮(なめりかわ)が、改めてウシジマくんに敵対しだしたうえ、あろうことか上納金3億円を要求してきて、波乱含みの最終章スタートになりました。

とはいっても、最後の最後になったときに、あんがいウシジマくんと滑皮さんは助け合うような予感がします。

金原俊輔