『オリンピア・キュクロス 1』、ヤマザキマリ作画、集英社、2018年。

古代ヨーロッパの男性が、何かのはずみでたびたび未来の日本へタイムスリップし、そこにおいて見聞した事物におどろく。

不慮の日本滞在で得たアイデアを(つぎのタイムスリップで)過去の自国へもち帰り、披露して、周囲の人々を感嘆させる。

こういったストーリーのギャグマンガでした。

待てよ……。

いま書いたあらすじ説明、ヤマザキ氏の前作である、

『テルマエ・ロマエ』全6巻、エンターブレイン(2009年~2013年)

にも、そのまま当てはまってしまいます。

うーむ。

いわゆるワンパタ……、いや、焼き直……、同工異曲……、要するに、おなじ着想の、発表済みの作品にかぎりなく似かよった、既視感をおぼえる内容でした。

似すぎていて、わたしはすこし落胆しました。

と、文句を言いつつ、この『オリンピア・キュクロス』、やはり相当おもしろかったです。

作者はすごい才能に恵まれていらっしゃるのでしょう。

今回の主人公は、ギリシア人デメトリオスです。

……彼は、1964年、東京オリンピックが開催されている最中の、昭和時代の日本に漂着。

運動神経抜群・体力抜群であるにもかかわらず、スポーツなどぜんぜん好きではなかった。

そんなデメトリオスが、オリンピック自体やタイムスリップ中に出会った日本人たちの影響で、いつしかスポーツ・ファンになりだす。……

第1巻の流れは以上でした。

今後、いっそうおもしろくなってゆくことが期待されますし、あえて『テルマエ~』をなぞるようなスタートにしながら、話が別方向へ急転する可能性だってあるのではないか、と想像しました。

金原俊輔