『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』、ジェイソン・ファン著、サンマーク出版、2019年。

著者(1973年生まれ)はカナダのトロント大学医学部を卒業された腎臓専門医です。

わたしは当初、トロント大学の文字を目にしてもピンとこなかったのですが、「グリセミック指数(食後血糖値の上昇度を示す指数、GI値)(pp.269))」の語を生んだ大学なのだそうです。

GI値のことは知っていたし、知っていたどころか、かつて自分がダイエットをおこなったときの指針にしていました。

研究力が高い大学みたいです。

さて、上掲書は、エビデンス(科学的な証拠)に基づきつつ、肥満の原因、ダイエット法、リバウンド防止法、などを精密に解説したものです。

学術書とはいえ読みやすい内容でした。

著者が述べていた要点は、こうです。

どのようなダイエット法もそれなりに効果的であるが、どんな方法であれ短期間(6ヶ月程度)の効果しか示さない。

なぜかというと、ダイエットして体重が減れば、体内では体重を増やすための機能が自然に働きだし、結局、そのせいで体重が元に戻ってしまうから。

それを避けるためには、身体のインスリン値を下げる取り組みが重要。

下げかたとして、

ステップ1 「添加糖の摂取」を減らす
ステップ2 「精製された穀物の摂取」を減らす
ステップ3 「たんぱく質の摂取」を減らす
ステップ4 「いい脂肪」をもっと食べる
ステップ5 「食物繊維」をもっと食べる(pp.365)

この手順を踏むことが望ましい。

以上でした。

ステップのひとつひとつに医学的・生理学的な説明が付されていました。

なかには常識的なアドバイスも含まれてはいましたが、たとえば「ステップ3」「ステップ4」などは意外です。

たいへん勉強になりました。

知っておくべき知識を得ることができました。

わたしは2年近くかけて「低炭水化物ダイエット法」を敢行し、約15キロの減量に成功しました。

けれども、最近、ややリバウンド気味です。

著者のご指摘どおりとなりました。

『世界最新の太らないカラダ』を熟読したうえで改めて体重コントロールに励みたいと考えています。

「酢」も予防因子だ。伝統的な食事によく使われており、インスリンの過剰分泌を防いでくれる。イタリア人は、よくパンにオイルや酢をつけて食べる - 高炭水化物の食品と予防因子を一緒に食べるいい例である。酢は酢飯にも含まれており、そのおかげで酢飯のGI値は20~30%も減少する。(pp.389)

なんとありがたい情報。

寿司は好物ですので、今夜は(回っているほうの)お寿司屋さんへ直行します。

1点だけ、本書にたいする疑問があります。

著者は低炭水化物ダイエット法を評価されている模様ですが、わたしが同法を実践していたときに、脳まで糖分が行きわたらなかったらしく(生まれつき不十分だった)頭脳の回転が従来よりも低下してしまいました。

書中、この問題に関する警告・助言をお書きになっていなかったことが、不思議なのです。

金原俊輔