『めしばな刑事タチバナ』第1巻、旅井とり作画、徳間書店、2011年。

ファーストフードの「当たり」なメニューの紹介、有名ラーメン店各店に対する品評など、食がらみの薀蓄(うんちく)をかたむける人気マンガの、シリーズ第1巻です。

本巻で、わたしは「ケンタッキー・フライドチキン」を創業したアメリカのカーネル・サンダース氏(1890~1980)が、創業時に66歳だった事実を知りました。

彼は事業で失敗し、65歳のときには無一文となったそうです。

年金が少なかったため働かざるを得なくなり、その結果、ケンタッキー社の創業に至ったとのことでした。

興味をおぼえます。

上掲マンガに目を通さなかったら入手できない情報でした。

わたしはサンダース氏の生涯をもっと知るために中野明著『カーネル・サンダースの教え:人生は何度でも勝負できる!』、朝日新聞出版(2012年)も読みました。

こちらのほうはマンガではありません。

同書によれば、サンダース氏は若いころ多くの仕事につき、そのつど猛烈に働いた由です。

たんに働くだけではなく、彼独自の工夫もおこないつづけ、たとえばガソリン・スタンド勤務時代には「早朝営業」「タイヤの空気入れサービス」を発案しました。

熱血漢でもあり、自身が経営するお店への顧客誘導をめぐってライバルと銃の撃ち合いすらやったらしいです。

ケンタッキー・フライドチキンを始めてからは5年ほどで会社を大企業に育てあげました。

この人物の不屈の精神力、たゆまぬ創意、能力の高さ、に心から敬服します。

「シニア起業家の星」ともいえる存在です。

現在の日本では60歳で定年をむかえるかたが多く、定年後の人生をどう生きるかは、事前に考えておくべき重要な課題となっています。

だれもがサンダース的な生きかたをできるわけではないでしょう。

とはいえ、同氏が年齢におかまいなく起業したことには勇気づけられますし、定年が近いかたがたにとって参考・指針にもなると思われます。

 

金原俊輔