2022年12月8日 / 最終更新日時 : 2022年12月10日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本551:『歴史はなぜ必要なのか:「脱歴史時代」へのメッセージ』、南塚信吾、小谷汪之、木畑洋一 編、岩波書店、2022年 個人的に、あまり感心しない内容の読物でした。 納得できない箇所や文章がいくつもあったせいでそう思ったのですが、以下、納得できなかった記述のうちから4つを選び、説明します。 まず、第1番目。 副題にも入れているほど「脱歴史 […]
2022年12月6日 / 最終更新日時 : 2022年12月6日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本550:『老年の読書』、前田速夫 著、新潮社、2022年 高年齢である人々に、老いや死を考察したいろいろな本を紹介する、いぶし銀的な書評集です。 著者の前田氏(1944年生まれ)は、本書ご執筆時、76歳でいらっしゃいました(2022年現在は78歳)。 私ぐらいの年になると、深夜 […]
2022年12月5日 / 最終更新日時 : 2022年12月5日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本549:『「アマゾンおケイ」の肖像』、小川和久 著、集英社インターナショナル、2022年 室町時代に編纂された『閑吟集』(1518年)の中に、 何せうぞ くすんで 一期(いちご)は夢よ ただ狂へ という小歌があります。 これは人生哲学を詠(よ)んだ歌だ、いや、性愛賛美だ、と文言の解釈は一定でないのですが、わた […]
2022年11月29日 / 最終更新日時 : 2022年11月30日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本548:『オレンジ色の悪魔は 教えずに育てる:やる気と可能性を120%引き出す奇跡の指導法』、田中宏幸 著、ダイヤモンド社、2021年 「オレンジ色の悪魔」とは、マーチングの強豪・京都橘高等学校吹奏楽部につけられた愛称です。 名称は(中略)いつ誰が付けたのかは不詳とされています。(pp.223) オレンジ色ユニフォーム姿の部員たちが非常に完成度の高いパフ […]
2022年11月21日 / 最終更新日時 : 2022年11月21日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本547:『アンネ・フランクの密告者:最新の調査技術が解明する78年目の真実』、ローズマリー・サリヴァン 著、ハーパーコリンズ・ジャパン、2022年 『アンネの日記』で有名な、アンネ・フランク(1929~1945)。 第二次世界大戦中、ナチスの占領下に置かれたオランダで、ユダヤ人の十代の少女が両親、姉、一家と親しくしていた何人かと共に、二年以上のあいだアムステルダムの […]
2022年11月11日 / 最終更新日時 : 2022年11月11日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本546:『強権的指導者の時代:民主主義を脅かす世界の新潮流』、ギデオン・ラックマン 著、日本経済新聞出版、2022年 各国における現役の「強権的指導者」18名の人柄や政治手法を論じた本です。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、中国の習近平総書記、といった誰もが知る面々が語られたいっぽ […]
2022年11月9日 / 最終更新日時 : 2022年11月9日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本545:『邱飯店交遊録:私が招いた友人たち』、邱永漢 著、中公文庫、2022年 邱永漢(きゅう・えいかん、1924~2012)は、台湾生まれで、日本へ帰化し、作家および実業家として活躍した男性です。 東京帝国大学経済学部ご卒業。 作家の部分を語ると、1956年の直木賞受賞後、経営や投資に関する本の執 […]
2022年10月31日 / 最終更新日時 : 2022年10月31日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本544:『司馬遼太郎の時代:歴史と大衆教養主義』、福間良明 著、中公新書、2022年 歴史小説家・司馬遼太郎(1923~1996)が発表した作品を、彼の経歴や存命中の社会背景に照らし合わせながら解説した本です。 なぜ多くの作品が読者に受け入れられたのか、作品において不十分だった点は何か、に関し精査がなされ […]
2022年10月26日 / 最終更新日時 : 2022年10月30日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本543:『台湾に何が起きているのか』、福島香織 著、PHP新書、2022年 東アジアの歴史・政治を熟知されている福島氏(1967年生まれ)が、2022年9月現在における、台湾および周辺諸国の情勢をまとめられました。 いまの台湾は、いつ、なにが起こっても、不思議ではない状況に置かれています。 なに […]
2022年10月18日 / 最終更新日時 : 2022年10月18日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本542:『人生はそれでも続く』、読売新聞社会部「あれから」取材班 著、新潮新書、2022年 物事には「その後」があります。(pp.3) 読売新聞社のチームは上記の発想のもと、 過去の新聞記事や関係資料を丹念に調べ、「ぜひこの人に話を聞いてみたい」という人物を探す。関係者にアプローチして、その人物にたどり着く。そ […]
2022年10月7日 / 最終更新日時 : 2022年10月7日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本541:『満映秘史:栄華、崩壊、中国映画草創』、石井妙子、岸富美子 共著、角川新書、2022年 満映とは「満洲映画協会の略称(pp.95)」です。 むかし日本が中国で強引に建国した満洲国(現在、遼寧省・吉林省・黒竜江省の3省)にありました。 甘粕正彦(1891~1945)が理事長だった会社として有名。 甘粕は、19 […]
2022年10月4日 / 最終更新日時 : 2022年10月7日 Shunsuke_Kanahara コラム 最近読んだ本540:『論語清談』、西部邁、福田和也 共著、木村岳雄 監修、草思社、2022年 わたしは『論語』自体には関心が薄いものの、福田氏(1960年生まれ)の愛読者であるので、上掲書を購入しました。 西部氏(1939~2018)と福田氏の座談に、ときどき木村氏(1963年生まれ)が加わり、孔子(紀元前551 […]