『ねじ曲げられた「イタリア料理」』、ファブリツィオ・グラッセッリ著、光文社新書、2017年。

著者は、1955年、イタリア・ミラノ市生まれの男性。

現在は日本で暮らされています。

イタリア料理に造詣が深く、上掲書でトマトソース、ピッツァ、パスタなどの歴史やおいしい食べかたをくわしく語られました。

料理好きの人たちにとって感興がそそられる内容でしょう。

わたしがアメリカに住んでいたころ、あるアメリカ人がわたしの友人であったイタリア人に「ピッツァはアメリカで創作された食べ物だ」と発言したことがあります。

イタリア人は「なにをバカな!」とカンカンに怒りました。

しかし、『ねじ曲げられた~』によれば、どうやらその際のアメリカ人の主張は正しかったようで、すくなくとも現在われわれがピッツァという言葉でイメージするものはアメリカにおいてできあがったらしいです。

こうした食の話題がつぎつぎに出てくる本でした。

わたしが最も興味をおぼえたのはオリーブオイルに関する章です。

グラッセッリ氏のお考えでは、オリーブオイルはエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルでなければならず、また、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルは「原産地の呼称が明記されているもの(pp.165)」でなければいけないのだそうです。

原産地とは、国名ではなく「バーリ県ビトント」といった土地名のこと。

さらに念を入れるなら、ビオロジック認証のあるものを選ぶのがベストだろう。ヨーロッパでビオロジック認証を得たものには、それを示すマーク(図)と、コードナンバーがラベルのどこかに明記されているはずだから確認してほしい。(pp.165)

参考として、本コラムにビオロジック認証の画像を引用しておきます。

pp.165より

pp.165より

単純なわたしはさっそく同認証が入っているオリーブオイルを購入してきました。

従来買っていたものに比べるとやや高価でしたが、びっくりするほどの金額の差ではありません。

味の違いは……よくわかりませんでした。

本書では「地中海式ダイエットのウソ」「スローフード運動は、なぜダメなのか」などの啓蒙的な章もあり、勉強になりました。

金原俊輔