最近読んだ本375

『食事法の最適解:健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった』、国府田淳著、講談社プラスα新書、2020年。

国府田氏(1974年生まれ)。

若くしてIT関連の会社を興された人物です。

起業の当時は、

運動もまったくせずに暴飲暴食、喫煙もおかまいなし。コンビニ弁当や牛丼、ファストフードは当たり前で、たびたび徹夜しては缶コーヒーやエナジードリンク、スイーツで糖分補給、朝はハンバーガー店のモーニングセットでパワーチャージ、3時のおやつにはスナック菓子や市販のチョコで空腹をしのぐ……そんな生活を送っていました。(pp.6)

結果として「体の不調が次々(pp.6)」生じてしまいました。

そこで氏は一念発起。

健康食や健康法の専門書を多数読破したのち、ご自分の食事を「最適解」と思われる内容に変更されました。

4~5年後には体重が減少し、体脂肪率も適正になり、風邪をひきにくくなったそうです。

おまけに、

体が軽くなって直観も冴えるようになったため、意思決定が早くなり、パフォーマンスが格段に上がりました。
仕事で記事を執筆することもありますが、(中略)どんどん速くなり、30代に3~4日は費やしていた量が、40代では1日半で終えられるようになりました。(pp.8)

とのことでした。

いかなる食生活を実践なさったのか?

『食事法の最適解』では、著者が(ご自分を使った「人体実験」までおこない)苦労の末たどりつかれた結論・情報が記載されていますので、わたしが中身を暴露するわけにはいきません。

自粛いたします。

しかれども、第6章「『体に良い』食材、徹底調査!」だけ紹介する失礼をお許しいただくと、

納豆

ナッツ類

カカオ70%以上のチョコレート

海藻類

味噌汁

きのこ

良質な油

以上7種の食材が与える身体への好影響が「ほぼ『間違いない』(pp.110)」由でした。

チョコレートを別にすれば、わたしが普段から口にしているものが多く、安堵しました(道理で65歳にもなるのに持病が全然ないわけです)。

随時こうした本に接し、自分の栄養摂取状態を顧(かえり)み、場合に応じて改める取り組みが必要だと、つくづく感じます。

ところで書中、いきなり重たい話題として、

長崎の原爆で被爆された秋月辰一郎医師が、わかめの味噌汁の摂取を食事療法として取り入れ、自身や看護師、患者の原爆症を防いだという話があります。チェルノブイリの原発事故の際にこの話が注目され、ロシアやEUの人々も食事に味噌を取り入れたとか。広島大学の研究によれば、味噌が放射線を防衛することが確認されたそうです。
日本でも福島の原発事故がありましたから、味噌は定期的に摂取し続けて損はないでしょう。(pp.118)

こんな文章が……。

わたしは長崎市生まれの被爆2世なのに、和光大学の卒業論文は原爆被爆をテーマにした研究だったのに、なおかつ、秋月先生にお会いしたことがあり、

秋月辰一郎著『死の同心円:長崎被爆医師の記録』、講談社(1972年)

を読んだのに、味噌の効能にまつわる知識を有していませんでした。

知らなかったながらも、ほぼ毎日いただいてきたのは、まさしく僥倖(ぎょうこう)です。

金原俊輔

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