『新装版 台湾人と日本精神:日本人よ胸を張りなさい』、蔡焜燦著、小学館、2015年。

上掲書の著者は、司馬遼太郎著『街道をゆく・40:台湾紀行』、朝日文庫(2009年)で「老台北」として描かれている人物です。
1927年、台湾生まれ、男性。
元・体育教師でいらっしゃり、剣道有段者でもあり、現在は引退なさっているものの複数の会社を経営されていた実業家です。

蔡氏は本書冒頭において「台湾は紛れもなく、『世界一の親日国家』である(pp.10)」とお書きになったうえで、日本に対する肯定的な評価をつぎつぎに展開してゆかれます。

たとえば、1999年の「台湾大地震」の際は、日本の救助隊が、

その日のうちに台湾入りし、災害現場に急行するや、不眠不休で生存者の捜索に尽力してくれたのである。瓦礫を掘り起こし、最新鋭機材を駆使して懸命に生存者を捜索する日本の救助隊の献身的な姿は人々の胸をうち、そして皆は心の中で手を合わせた。こうした光景を目の当たりにした年配者は、「やっぱり日本だ!」と目頭を熱くするのだった。そして続々と台湾へやってくる日本の民間ボランティア、多くの台湾人がここに頼れる「友人」が誰であるかを再認識したのである。台湾人が心から信用できる国は「日本」なのだ。(pp.195)

以上のように述べてくださいました。

1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの半世紀にわたる日本の台湾統治に関しては、台湾にとって有益だった、統治の結果、台湾は近代化を果たすことができた、と語っておられます。

日本人が面映ゆくなるようなご指摘が本の随所にちりばめられていました。

つづいて、

 光瀬憲子著『台湾で暮らしてわかった律義で勤勉な「本当の日本」』、じっぴコンパクト新書(2015年)

この本では、台湾人-日本人のあいだで心と心が交わった、いくつもの温かい例が紹介されています。

とくに、統治時代における台湾の子どもたちと日本人教師たちとの愛情あふれる師弟関係には、深く感動させられました。
わたしは同書を通じ台湾と日本が歴史的に固い絆で結ばれている事実を知ることができました。

残念ながら日本は台湾と正式な国交を有していません。
しかし、両国民はお互いに敬愛し合っています。

台湾人を対象に実施されたアンケートによると、「最も好きな国」「尊敬する国」「旅行したい国」「移住したい国」「台湾に対して友好的な国」の第1位は、すべて日本だったそうです。

日本人を対象にしたアンケートでは、「日台関係は良好」と答えた人が91.2%、「台湾を信頼している」と答えた人が84.2%、「台湾を身近に感じる」と答えた人が66.9%、でした。

2014年に来日した台湾人旅行者数は283万人(第1位)、台湾を訪ねた日本人旅行者数は163万人(中国人旅行者数に次いで、第2位)。
第2位だったことは悔しいですが、同年の日本における「夏休み海外旅行人気ランキング」でトップに立ったのは台湾でした。

さらに、2015年の日本「ゴールデン・ウイーク海外旅行人気ランキング」でも、台湾が第1位になりました。

今後もこうしたつながりを大事にしたいものです。

2011年の「東日本大震災」のときには台湾からの救助隊がどの国よりも早く日本に到着してくれました。

台湾国内において被災地を支援するチャリティ・イベントが催され、街頭などで募金活動もおこなわれ、その結果、日本は莫大な義捐金をお受け取りすることができました。

台湾の新聞社による意識調査では、「2011年の最高に幸福な出来事は?」という質問への台湾人の回答第1位は「台湾が日本に寄贈した義捐金額が世界最多だったこと」でした。

わたしは「近くに台湾という国が存在している」と思うと、明るい気もちになってきます。

金原俊輔