『日本人になりたいヨーロッパ人:ヨーロッパ27ヵ国から見た日本人』、片野優、須貝典子共著、宝島文庫、2016年。

ヨーロッパの国々において日本および日本人が好かれているという状況を、たくさんの具体例を示しながら紹介した本です。

具体例のなかには、トルコの「エルトゥールル号沈没事件」やリトアニア「杉原千畝の命のビザ」のように、人口に膾炙する有名な話があります。

いっぽう、わたしが初めて知った情報も、多々含まれていました。

たとえばイギリス首相だったウィンストン・チャーチル(1874~1965)の場合。

むかし彼の伝記を読みましたが、「母親が日本への旅行をした」とか「彼自身、親日的な傾向を有しており、第二次世界大戦後に訪英された日本の皇太子へ深い敬意を示した」とかいうエピソードは書かれておらず、わたしは上掲書をひもとくことでその知識を得るにいたりました。

つぎに、ドイツのミヒャエル・エンデ(1929~1995)。

小説『はてしない物語』(映画の題名は『ネバーエンディング・ストーリー』)で知られる児童文学作家です。

彼は18歳だったころから日本へ興味をもちだし、興味がだんだん高まり、ついには日本訪問までおこなったそうです。

後年の『ネバーエンディング・ストーリー』映画化の際、彼が制作会社にだした要望は、監督を黒澤明氏に、「ファンタジエン国の王女」役は白い着物を着た黒髪の日本少女に、というものだった由でした。

さらには、元フランス大統領でいらっしゃる、ジャック・シラク氏(1932年生まれ)。

このかたは親日家であるばかりでなく大相撲ファンでもあるとのことです。
しかもファンというよりは「相撲オタク」というほうが適切と思われるぐらいのご熱中ぶりみたいでした。
そのため、大統領時代に、若干の公私混同もやってしまわれた模様です。

わたしは同書を読みつづけているうちに日本人として誇らしい気持ちになってきました。

ただし、書かれていた日本への好感がヨーロッパ各国の国民多数に当てはまるのかどうかは不明です(おそらく当てはまらないでしょう)。

仮に当てはまったとしても「好感をもたれるような良いふるまいをしたのは他の日本人たちなのだから、自分がいい気になる資格はない」と自戒しなければなりませんでした。

金原俊輔