『「あの国」はなぜ、日本が好きなのか』、「ニッポン再発見」倶楽部著、知的生きかた文庫、2017年。

世界63カ国を取り上げ、それらの国々が日本に感謝したり好意を寄せたりしていることを紹介した本です。

感謝や好意をもつに至った事情として、日本による経済的支援の効果、日本文化(とりわけサブカルチャー関係)の普及、さらには各国と日本が独自に有する心温まる歴史、などが挙げられていました。

たとえば南米のパラグアイ。

パラグアイが日本に好感を抱く理由は三つある。まずは経済協力の実績。日本は農業分野を中心に同国にODA(政府開発援助)による支援を実施。インフラ整備や保健医療・教育などの分野でも協力しており、その貢献度の高さが評価されている。さらには、日本文化とパラグアイの先住民族であるグアラニの文化のあいだに共通点があることだ。自然崇拝を行う点や、日本語とグアラニ語のいくつかの単語が一致する点は、お互いの親近感につながっている。そして日系移民の存在。これが、パラグアイが親日国家たる最大の理由である。(pp.134)

なのだそうです。

以上とは別に、本書には「コラム」コーナーもあり、ここではスティーブ・ジョブズあるいはレディー・ガガといった親日派の有名人10名のエピソードが書かれています。

そのうち、喜劇俳優のチャーリー・チャップリンの項では、

チャップリンは、秘書として高野寅市という日本人を雇っていた。最初は運転手だったが、その誠実さを認められて秘書に。高野の勤勉さに感動したチャップリンは、使用人17人をすべて日本人にしてしまったのだ。来日時には、「こんな素晴らしい人たちを生んだ日本という国に行ってみたくなった」と述べている。(pp.78)

とのことでした。

たしか高野はチャップリンが暴漢に襲われた際に相手を柔道で撃退して主人を守った人物だったと記憶しています。

『「あの国」はなぜ~』を読了し、わたしは日本が種々の長所を所持する国であることを誇らしく思いました。

とはいえ……。

最近、書店において我が国を自画自賛する新刊書がかなりたくさん並んでいるような気がします。
タイトルから判断すると、どれも日本が魅力的であって実は諸外国から尊敬されていると主張した内容であるみたいです。

人が母国を誇りに思う本を出版すること自体は、悪いことではないでしょう。
しかし、多すぎるというのは、よろしくないのでは?

日本社会では「謙譲の美徳」「慎み」が尊重されていたはずです。

わたしは、日本賞賛本の執筆者たちは上述の価値観に立ち戻るべき、と考えます。

金原俊輔