『シニアひとり旅:バックパッカーのすすめ アジア編』、下川裕治著、平凡社新書、2017年。

いいですね~、シニアのひとり旅。
しかも海外へ。

ぜひわたしもシニアになったらおこないたいものです。

これまで下川氏(1954年生まれ)は、

『週末アジアでちょっと幸せ』、朝日文庫(2012年)

『週末バンコクでちょっと脱力』、朝日文庫(2013年)

『週末台湾でちょっと一息』、朝日文庫(2013年)

以上の書籍を上梓されました。
題名で明らかなとおり頻繁にアジアへ向かわれています。

わたしもアジア諸国が大好きなため、著者による「週末」シリーズを愛読してきました。

小刻みな文章、おっとりした文体で、読んでいてしみじみくつろげます。

この『シニアひとり旅』も同様でした。
アジア9カ国での著者の体験が、簡潔に、静かに、語られています。

9カ国の大半が、わたし自身行ったことがある国々でした。

お気の毒に思ったのは、

ベトナム人はちょこちょことボる。たとえばハノイ駅前の歩道にある店でコーヒーを飲む。ほかの店より料金が高い。不審に思い、しばらく眺めていた。ベトナム人が払う額より二千ドン高かった。それは十円ほどなのだが、ベトナム人は、こういうセコいことをちょくちょくする。なかなか油断ができない民族でもある。
そこから数時間のラオスの街、ムアンクア。そこには明朗会計の世界があった。(pp.163)

旅行された各位は全員ご存じのとおり、「ボッタクリ」行為はアジアの病弊です。

それをしないのは日本と台湾ぐらい……。

わたしの場合、ベトナムのハノイ市においては何事も起こりませんでしたが、ホーチミン市では料金やお釣りをごまかされてしまいました。

著者と同じくたいした金額ではなかったものの、せっかく海外で休暇を楽しんでいたときに不快な気分を味わいました。

欧米人の旅行者は、料金に対してシビアーなタイプが多い。外国人だからといって、料金を上乗せすることを極端に嫌う。(pp.167)

アジア人のボッタクリを嫌悪し軽蔑している欧米人は少なくないと想像されます。

わたしはラオスへは行ったことがありません。
もし本当に同国が明朗会計の地だとしたら、アジアの評判を高めるためにぜひその文化を死守してほしいと願います。

最後に、先の引用文中、著者がハノイ市で飲まれたコーヒーは何だったのでしょうか?

わたしはベトナム名物「カフェ・スアダー」というアイスコーヒーの中毒者で、アメリカに住んでいた10年間、毎朝、ベトナム系アメリカ人が経営する喫茶店でこれを口にしていました。

ホーチミン市訪問の際には、現地に着いた瞬間「本場だ!」と勇んでカフェ・スアダーを注文したほどです(そしてどうもボッタくられたような)。

金原俊輔