『1分で話せ』、伊藤羊一著、SB Creative、2018年。

副題は「世界のトップが絶賛した 大事なことだけシンプルに伝える技術」となっています。

わたしは、会議や雑談で長くしゃべりつづけるような人々に辟易(へきえき)しているし、この本を読めば今後の自分の会話の仕方にも役立つだろうと思い、購入しました。

役立ちます。

全編これ簡潔な話術に関する助言でした。

たとえば、73ページの、話すときに「基本的には」「先に述べたように」などの表現は不要だというご意見。

よいヒントをいただきました。

また、100ページにあった、中学生が理解できるレベルの言葉を使うべきとのご指摘も、ごもっともと考えます。

さらに『1分で話せ』は、効果的な話しかたにも言及していました。

わたしはこれまで「自分は話が簡潔」と自惚(うぬぼ)れていたものの、本書を読み、たんに話す時間が短かっただけであり、効果的な語り口ではなかった事実に気づかされました。

例をあげましょう。

人がビジネス場面でプレゼンテーションをおこなう際に、

無表情で、体も動かさずに、抑揚なく話すことが、相手を動かすうえで必要であればそうすればいいのですが、普通は違います。
やはり、立ち方、身振り手振り、発声、間合い、視線など、相手に自分の思いが一番刺さるよう、自分ができるすべての要素をフルに活かして、相手にプレゼンを届けたほうがよいと私は考えます。(pp.140)

上記のアドバイスがありました。

わたしは講演をするとき、かなり「無表情」なうえ「身振り手振り」を用いず「抑揚なく話す」タイプです。

反省しました。

ほかでは、

「自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す」
そうすることで、その一言に、自分の伝えたい内容を「包み込む」のです。私はそれを、「めちゃくちゃ大事な一言」という意味を込めて「超一言」と言っています。(pp.135)

こういう文章も参考になりました。

ところで、著者は「主張と根拠の3段のピラミッド(pp.156)」を重視されています。

中身は、

ピラミッドがしっかりとできていれば、その通り人に話せばいいのです。
「私の主張はこうです。理由は3点あって、1点めはこう、2点めはこう、3点めはこうです」という感じです。(pp.58)

というもの。

当該ピラミッドは、本書のなかでたびたび登場してきました。

これは、アメリカの学校でふつうに教えられている、話しかた、小論文の書きかた、です。

わたし自身もアメリカの英語学校で学びました。

ただ、わたしが教わったときには、先生から「3点めはこうです」のあとに「以上の結果、わたしはこれこれの(冒頭の)主張をおこないました」という「結論」をくっつけるように、とのご指示を受けました。

そうすることにより言説の説得力が増すからです。

大事な工夫です。

日本でも結論をつけるほうが望ましいのではないでしょうか。

金原俊輔